COLUMN
2019.11.10
ダイエット中には、糖質・カロリーを減らしたいですよね。
そんなときに目に入るのが、「糖質オフ」「カロリーオフ」「カロリーハーフ」。
「ぴったりの商品!」と思って、摂取していませんか。
今回は「〇〇オフ」の真実について解説します。
また、どうしても甘いものが欲しい時に、何を選べば良いかも提案します。
健康的に体重を減らすため、口に入れるものには注意しましょう。
食品や飲料品で「糖質オフ」と書かれているものがあります。
実は、「糖質が入っていない」ということではありません。
「糖質オフ」の定義は、
です。
該当する場合、「オフ」や「カット」「低」といったような言葉を付けて良いのです。
また、同様に食品100g当たり(または飲料品100ml当たり)0.5g以下については、
「無」「ゼロ」「ノン」などの言葉を付けて良いのです。
健康増進法第31条第1項に基づく栄養表示制度で決められています。
(参照:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin829.pdf)
いずれにしても、糖質は少なくなっているのは確かです。
「カロリーオフ」も、「糖質オフ」と大きく変わりません。
定義は、
であれば、「オフ」や「カット」「低」といった表現が使用可能です。
食品100g当たり(または飲料品100ml当たり)5kcal以下については、「無」「ゼロ」「ノン」でもOKと決められているのです。
また、「カロリーハーフ」と謳っている商品もありますね。
定義は、既存の製品に比べて、カロリーが半分になっているという意味です。
さらに、マヨネーズでは脂質が約半分以下のものも。
様々なものが抑えられているのですね。
(参照:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin350.pdf)
では、どのようにして糖質などを少なくしているのでしょうか。
本来であれば、清涼飲料水には大量の砂糖が含まれています。
有名どころでは、○○コーラ。
100ml当たり11.3gの炭水化物(糖質)が含まれています。
一方で、○○コーラゼロだと、100ml当たりの糖質は0gです。
「ゼロ」飲料では文字通り、糖質0gで済んでしまっているのです。
では、「ゼロ」飲料で糖質の代わりに入っているものは?
答えは、
などの合成甘味料(人工甘味料)です。
さらに、脂質を減らした場合には、
が入っています。
大抵は、安価な合成人工甘味料を使っています。
基本的には人体にとってあまり良くないもの、簡単に言えば、毒です。
毒性物質を摂取した場合、カラダは分解・代謝したり、カラダの外に出しやすい形に変形したりします。
カラダ(主に肝臓)が頑張った場合、その代償として大量にエネルギーを使います。
その際に大量に発生するのが活性酸素。
私たちの体を酸化、つまりは錆び(サビ)させてしまいます。
生活習慣病や老化の原因にもなります。
毒が分解できない場合は、カラダの中、(特に脂の中)に蓄積していきます。
つまり、痩せるのが難しくなってしまうのですね。
「ゼロ」飲料が、エネルギー0kcalというのも問題です。
カロリーが「ゼロ」ということは、カラダのエネルギー源としては全く利用されません。
つまり、カラダの中で燃料としては使われないまま・代謝されないままなのです。
カラダの中で代謝されない以上、このような甘味料は異物と見なされます。
結果、安全な場所(脂肪組織の中)にしまいこまれます。
それだけでなく、このような甘味料の甘さはインスリンというホルモンの分泌を促すという話も。
なので、脂肪太りの元凶とも言われています。
事実、研究結果にも表れています。
テキサス大学の研究では、人工甘味料を使ったダイエット飲料を飲んだグループでは、飲まないグループに比べて、5~6倍太るということが判明しました。
ブラジルのグランデ・ド・スル州立大学の研究では、人工甘味料と砂糖では人工甘味料の方がむしろ太るという結果もあります。
ダイエット中でも、甘いものを食べたくなる時はありますよね。
抜け道を紹介します。
それは、
などです。
糖アルコールとは、単糖にあるカルボニル基(>C=O)に水素を付加させてアルコール基(>CH-OH)が作られたもの。
エリスリトールは、炭素が4つ使われている4炭糖となっています。
(ちなみに、ブドウ糖や果糖は6炭糖です。)
分子が小さく、小腸で90%は吸収されるのですが、代謝されずに尿中に排出されます。
残りの10%は大腸で発酵され、短鎖脂肪酸になります。
結果的に糖化指数(GI値)やカロリーは低くなります。
エリスリトールの場合は、
とわずかです。
それでいて、甘味は砂糖を100とした場合、約70とかなり近いのです。
自然甘味料の原料となる羅漢果(ラカンカ)は中国原産のウリ科植物です。
果実の甘味は、砂糖の300倍!
甘味成分はテンペングルコシド配糖体である、モグロシドVです。
体内では吸収されにくいため、カロリーは0、血糖値も上がらないとされています。
また、ステビアは南米原産のキク科の多年草です。
成分はステビオシドと、レバウディオシドです。
こちらも甘さは砂糖の300倍と言われていますが、独特の風味を持っています。
これだけでは自然な甘味にはならず、結局は砂糖を併用しています。
ステビアの甘味成分も、腸から吸収されにくく、カロリーはほとんどありません。
さらに、ステビオシドには血糖値を下げる作用があり、インスリン抵抗性改善の効能があるとも言われています。
なお、先に挙げたエリスリトールとラカンカを合わせたもので「ラカントS」という商品が販売されています。
「甘いものを口にしたい、でも血糖をなるべく上げたくない」という方におすすめします。
注意点として、甘味成分を摂るだけで、血糖を下げるホルモン(インスリン)が分泌されるという見解も。
もしも、血糖を上げないような甘味料を大量に取った場合、血糖が下がり過ぎてしまう危険性も考えられるわけです。
ですから、甘味料はあくまでもお口の楽しみに少量を摂るくらいが良いでしょう。
「糖質オフ」「カロリーオフ」「カロリーハーフ」、良かれと思って選んでいませんか。
そのせいで、余計痩せにくくなっているかもしれません。
ここで、ダイエットをする上でのアドバイスです。
カラダのことを考え、食べるものを取捨選択しましょう。
神谷仁医学博士