COLUMN
2019.10.24
腸を守る役目のある「腸内フローラ」。
赤ちゃんは、「舐める」という行為で体の中に細菌を入れていきます。
しかし、腸にとって悪いものもあるので、取捨選択しなければいけません。
今回は、腸内で何が起こっているのか、解説します。
赤ちゃんの「腸内フローラ」を形成するため、お母さんが出来ることを確認しましょう。
ベースを作るには、「舐める」ことが重要です。
赤ちゃんや幼児の口を通して腸の中に入る細菌は、玉石混淆です。
玉石混淆(ぎょくせきこんこう)とは、「良いものと悪いものとが入り混じっている」という意味です。
口から入る細菌は、
もあります。
悪い細菌は排除、良い細菌を選択しなければいけせん。
では、どのようにして排除または選択を行うのでしょうか?
実は、赤ちゃんが生後すぐに飲むものが関係します。
それは、母乳です。
母乳の中でも特に大事なのが、産後直後~1週間程度の間に出される初乳です。
初乳には、赤ちゃんにとって欠かせない栄養タンパク質と共に、とても重要な物質が含まれています。
という粘膜の抗体です。
ラクトフェリンは、悪い細菌を排除するという意味にとってはかなり重要です。
体にとって良い細菌と、あまり良くない細菌とでは増殖に使われる栄養が大きく違ってきます。
有用菌(善玉菌)の栄養源は、食物繊維やオリゴ糖
有害菌(悪玉菌)の栄養源は、鉄
有用菌が増えるのには鉄を必要としません。
しかし、増殖するスピードが速い有害菌は鉄をかなり必要とするのです。
ここで役立つが、ラクトフェリンです。
ラクトフェリンは鉄結合性タンパクです。
腸内に余っている鉄を結合・吸着するため、有害菌にとって必要な鉄を逆に取ってしまいます。
鉄が足りないので、有害菌は増殖することが出来なくなります。
さらに、病気や疾患を起こす原因となる病原菌もまた、同じように鉄を必要とします。
なので、鉄を取り上げてしまうのは、感染対策という意味でも有効な手段なのです。
ラクトフェリンの役割は重要なのですね。
赤ちゃんには、そのようなラクトフェリンが生後、初乳によってすぐに与えられます。
そして、「舐めて」摂り入れた細菌を取捨選択できるようになっているわけです。
本当に人間や生物って、良く出来ていますよね。
「腸内フローラ」を整えるためには、悪い細菌は排除しなければいけません。
赤ちゃんが何かを「舐める」ことで、様々な細菌が入り込みます。
そこで、産後直後~1週間程度に出されるおっぱいが重要な役割を果たします。
初乳に含まれているラクトフェリンが、有害菌の増殖を防ぎます。
赤ちゃんに欠かせない成分が入っているので、ぜひ初乳を飲ませてあげましょう。
神谷仁医学博士